2017年5月21日日曜日

日々の余韻アーカイブス(その8)〜黒の名盤たち〜

2013年4月12日から2014年2月13日までの1年弱の間、僕はTwitterやFacebook上で、【日々の余韻】というタイトルの投稿を毎日行っていました。基本的に日々の投稿は短めのディスクレビュー。それと月に一回程度、コラム的に長めの文章を書いていました。
今日は【日々の余韻】で書いた記事のうち、モノクロのジャケットが印象的なアルバムを4枚をピックアップしました。(カワズ)


2013年4月12日【日々の余韻 Daily Afterglow 001】

Scott Matthews 『What the Night Delivers』 (2011)

フォーキーでありながら、ルーファス・ウェインライトやジェフ・バックリーの作品ような、荘厳でドラマティックな世界観のあるアルバム。独特のアシッド感と浮遊感があり不思議なほどにエグみがなく、肌触りはとても優しい。タイトルやジャケットのデザインとは裏腹に、夜よりも穏やかな朝に聴きたくなる一枚です。
Scott Matthews 'Bad Apple'

2013年6月21日【日々の余韻 Daily Afterglow 071】

Richard Natto 『Not Just Another Pretty Face』 (1980)

2011年にリイシューされたリチャード・ナットの1980年のファーストアルバムは、穏やかなひと時にひとりで聴きたくなるハワイアンSSWの名盤。クールなボーカルと透明感のあるアコースティックギターの音色が、この季節特有のじめっとした空気を少し涼しいものにしてくれるように感じます。どことなくベン・ワットの『ノース・マリン・ドライブ』に近い肌触りのサウンド。さらに言えば、小さい子が向こうを向いているジャケットのアートワークも、個人的にはシンクロニシティを感じるポイントです。

Richard Natto 'Typical High School Romance'

2013年9月24日【日々の余韻 Daily Afterglow 166】

Bill Fay 『Time Of The Last Persecution』 (1971)

イギリスのシンガー・ソングライター、ビル・フェイのセカンドアルバム。ジム・オルークが映画<実録・連合赤軍 あさま山荘への道程>の中でカバーした「Pictures Of Adolf Again」を含む名盤です。不安定なバンドアンサンブルから滲み出る儚さと、ニール・ヤングを思わせる繊細でビターテイストな歌声、叙情的なメロディが聴く者の心を鷲づかみし、深い余韻を残す一枚。

Bill Fay "Time Of The Last Persecution" (LP Side One)

2013年11月3日【日々の余韻 Daily Afterglow 198】

Faith Pillow 『Live 1981』 (1981)

ある友人がアナログ盤を買ってきてくれた、フェイス・ピロウ渾身のライブアルバム。拍手が聞こえるまではスタジオ盤と聴き間違えてしまうほどに演奏も録音状態も良く、彼女の力強くもナチュラルで心地よい歌声が、ライブの緊張感と共に伝わってくる一枚です。個人的には、ジェシ・コリン・ヤングのカバー「Songbird」と、気品あるグルーヴが魅力の「Winston」がフェイバリット。

Faith Pillow 'Winston'