2018年1月8日月曜日

カルロス・アギーレのこと

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。先日、音楽ストリーミングサービスSpotifyを利用して、「カルロス・アギーレ・ソングブック」というプレイリストを作成し、公開しました。今日は、もうすぐ来日公演がスタートするカルロス・アギーレの音楽の魅力をあらためて紹介します。(カワズ)



カルロス・アギーレはアルゼンチンで活動するピアニスト/コンポーザー/シンガー・ソングライターです。彼の音楽的バックボーンは、洗練されたジャズやフュージョン、親密で静謐なポストクラシカル、伝統に根ざした南米のフォルクローレなど。その多彩なエッセンスを、優れたセンスと巧みな技術で極めて高純度に昇華した作品を作り続けています。

これまで彼の名前でリリースされたオリジナル・アルバムは、(グループやトリオ名義も含めて)全部で6枚。それらはいずれも二つと無い個性的な質感を持っていますが、カルロス・アギーレの音楽に触れたことが無い友人に何か1枚オススメするとしたら、2002年作の1stアルバム、通称『Crema(クレマ)』です(きっと多くのアギーレファンも誰かに1枚推薦するとしたらこの作品になるのではないでしょうか)。『Crema』は、「Los Tres Deseos De Siempre」や「Zamba De Mancha Y Papel」といった彼の代表曲を筆頭に、数多くの名曲が収められた傑作と言われています。僕も本作でカルロス・アギーレを知ったのですが、スピーカーから鳴るそのメランコリックで洗練された彼の歌をはじめて聴いた時のことは、その場所の光景と共に今でも鮮明に憶えています。
Carlos Aguirre Grupo "Los Tres Deseos De Siempre" (crema)

『Crema(クレマ)』はまた、そのアートワークもとても魅力的です。黄白色のジャケットの中央には四角穴が開いていて、その窓からは水彩画の一部が見える仕掛けになっています。しかもその水彩画は作家が一枚一枚描いたものであるため、一つとして同じジャケットは存在しません。この作品に対する、延いては音楽そのものに対する聴き方や感じ方が人それぞれであることを、このアートワークは語っているようにも思えます。
Carlos Aguirre Grupo "Zamba De Mancha Y Papel" (crema)

『Crema(クレマ)』以外の作品にも触れておきます。南米特有の複雑なリズムを動力にしながら、フォルクローレが持つ繊細な素朴さに現代的なメロウさと奥行きを与えた2004年作『Rojo(ロホ)』。凛としたピアノタッチがもたらす気品ある世界観が美しい2006年のピアノソロ作『Caminos(カミノス)』。光の粒のように立ち昇る旋律と洗練されたグルーヴの合間からメランコリーが溢れる2008年作『Violeta(ヴィオレッタ)』。2012年にリリースされた『Orillania(オリジャニア)』は、たくさんの支流が合わさって静かで雄大な河を形成するように、既存のジャンルに囚われず、むしろまるでそれらを自然の理として一つの作品へと飲み込んだ、いわば彼のそれまでの音楽活動の集大成的一枚です。
Carlos Aguirre Grupo "La Musica Y La Palabra" (rojo)

Carlos Aguirre "El Hombre Que Mira El Mar" (Orillania)

カルロス・アギーレがかつて語った印象的な言葉があります。「音楽は人と人との出会いの可能性を広げるもの」。発売されて間もない最新作『Calma』を携えた彼の今回の再来日を機に、新たな繋がりや素敵な人間関係が育まれ、そこからまた豊潤な音楽地図が描かれるといいな、と思っています。

Carlos Aguirre Trío "Voces de otra vida y otro lugar" (Calma)

カルロス・アギーレ・ジャパン·ツアー2018 「ラ・ムジカ・デル・アグア」福岡公演



2018年1月15日(月)
会場:rooms(ルームス)
開場:19時/開演:20時
前売:5,000円/当日:5,500円(※共に1ドリンク別途、全席自由)
出演:Carlos Aguirre (pf., vo.)

★前売チケット購入方法
オンラインチケットサービス Live Pocket:https://t.livepocket.jp/e/carlos_aguirre_fukuoka
  • 本公演は、予約制ではなく、前売りチケット購入制のみとなります。オンラインチケットサービス「Livepocket」で前売りチケットをご購入ください。ご購入・決済・キャンセル等の注意事項について、「LivePocket」の本公演ページに記載の内容をよくお読みの上、お手続きください。
  • 当日は会場先着順でのご入場となります。
  • 会場への直接の問い合せは、ご遠慮ください。
福岡公演の詳細
http://republik.jp/archives/4655

ジャパンツアー全体について
http://www.inpartmaint.com/site/21879/