2018年2月11日日曜日

モリー・ドレイクと「4つの幸せ」

1948年に生まれ、26歳でこの世を去ったイギリスのシンガーソングライター、ニック・ドレイク。2018年は彼の生誕70周年です。今日は、彼の母親モリー・ドレイクが1950年代に紡いだ名曲「Happiness」とそのカバーバージョンを3曲ご紹介します。(カワズ)



Molly Drake "Molly Drake"


まずはオリジナル・バージョンであるモリー・ドレイクの「Happiness」。1950年代にドレイク家の自宅で録音され、2013年に発表された音源集『Molly Drake』の冒頭のナンバーです。アルバムに収録された曲のほとんどが1分台から2分台で占められていることは、音源が決して商業的に狙ったものではなく、プライベートに聴かせる目的で作られた歌たちであることを物語っているともいえます。親しい者へ向けた歌だからこそ聴こえてくる、慈愛に満ちた本当の優しさ。上品かつチャーミングな歌声も素敵です。
Molly Drake - Happiness

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The Unthanks "Diversions Vol.4 The Songs And Poems Of Molly Drake Extras"


続いては、イギリスのフォークデュオ、The Unthanksのバージョンです。2017年に『Diversions, Vol.4: The Songs and Poems of Molly Drake』というモリー・ドレイクの素晴らしいカバー集をリリースしましたが、本曲はそのアルバムではなく、同時に『Extras』と付されて発表されたアウトテイク集に収録されています。『Extras』の内容は本編と比較しても全く遜色無く、Unthank姉妹によるチェンバーミュージックの詩情豊かな世界観がここでも紡がれています。
The Unthanks - Happiness

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Willis "Songs Of Molly Drake EP"


打って変わってこちらはとても楽しげな同曲のカバー。原曲の持つ親しみ易いメロディラインはそのままに、和やかなウクレレの音色とヴォードヴィル調のボーカルが刹那的な幸福感を醸し出しています。リチャード・ウィリスというインディーシーンで活動する音楽家がボーカリストをフィーチャーして作った4曲入りEP『Songs of Molly Drake』に収められています。彼がいかにモリー・ドレイクの作品に感銘を受けたか、本人のブログでも熱く綴っています


Willis - Happiness

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Martin & Eliza Carthy "Happiness (7 inch single)"


最後は、UKフォークの重鎮的存在であるマーティン・カーシーと、彼の娘イライザとのデュオによるバージョン。イライザの情感溢れるボーカルもさることながら、丁寧に爪弾かれるアコースティックギターの旋律や、間奏のノスタルジックな口笛もたいへん味わい深いカバーです。二人の2014年作『The Moral of the Elephant』に収録され、数年前のレコード・ストア・デイで7インチシングルのアナログ盤がリリースされています。

Martin & Eliza Carthy - Happiness