2018年3月11日日曜日

アディティア・ソフィアンはやっぱり素晴らしい

インドネシアのシンガー・ソングライター、アディティア・ソフィアン。2017年にリリースされたミニアルバム『8 Tahun』のCDをようやく入手しました。過去に発表された4枚のフルアルバムに全く引けを取らない、素晴らしい作品です。(カワズ)




当ブログでも何度か紹介しているインドネシアのシンガー・ソングライター、アディティア・ソフィアン。これまでにフルアルバムを4枚リリースしていますが、2017年にミニアルバム『8 Tahun』を発売しました。一聴して感じたのは「なんだかとても懐かしいな」ということでした。そう、彼のデビューアルバム『Quiet Down』を想起させる、どこかナイーブで内省的な世界観が本作『8 Taihun』には宿っているように感じたのです。

冒頭の「Seniman」は、「♪チキチキバンバン」というフレーズが印象的な名曲「Memulihmu」(『Quiet Down』収録)を彷彿とさせるメロウなナンバーです。2曲目「Naik Kereta Saja」は静謐なギターのアルペジオの調べが繊細な歌を引き立たせている一曲です。続く3曲いずれも素晴らしいアコースティックナンバーばかり。その質の高さに、アディティア・ソフィアンは後世に残るシンガー・ソングライターだなあと改めてしみじみ感じました。

Adhitia Sofyan - Seniman

Adhitia Sofyan - Naik Kereta Saja

Adhitia Sofyan - Sesuatu di Jogja

本作の特筆すべきポイントの一つとして、アディティアは初めて全篇インドネシア語で歌っています。過去の作品では英語詞がメインで、現地語詞の割合は低かったのです。また本作は、“Quiet Down Records”という彼のプライベート・レーベル名がクレジットされています。
そういえば、バンドサウンドを大々的に取り入れた前作『シルヴァー・ペインティッド・レイディエンス』のリリース時にラティーナ誌面で行ったインタビューで彼は、「次の作品はベッドルーム・レコーディングに戻りたい」と語っていました。
なぜプライベート・レーベル“Quiet Down Records”を立ち上げたのか。なぜ本作は全て母国語で歌ったのか。前作からのシフトチェンジは彼にとって原点回帰と言えるのか。もし彼と再会することができたらぜひそんなことを伺ってみたい気持ちです。

Adhitia Sofyan ‎– 8 Tahun


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  4. Sesuatu di Jogja
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